- 日 時:2017年3月22日(水) 14:45〜17:30(受付 14:00〜)
- 会 場:トラストシティカンファレンス・丸の内 (JR東京駅日本橋口徒歩1分)
盛況のうちに終了いたしました。ご来場いただきました皆様に御礼申し上げます。
シンポジウムご案内(995kb)開催趣旨
昨今の我が国における医療用医薬品業界は、劇的な速度で事業環境の変化が進んでおります。
社会保障制度の財政的な負担増に伴う医療制度の見直し、よりエビデンスを重視した情報提供活動機運の高まり、M&A の活発化など、事業環境変化の例は枚挙に暇がありません。変化への柔軟な対応を常々行っていくことが製薬企業に求められております。
近年の製薬業界における新たな取り組みの一つとして、医学的科学的見地から医薬品の価値最大化を専門的に担う組織の立上が活発化しています。
これら組織は、臨床試験等の企画立案対応といった旧来からある医学・科学的見地が重視される役割に加え、マーケットアクセス、HEOR、HTA、RWE、データベース研究など、高い専門性を求められる新たな取り組みも担っています。
中でもリアルワールドデータを活用する取り組みは政府や行政を巻き込んだ大きなうねりとなって高い注目を浴びる状況にあります。
このような背景のもと、製薬企業における医薬品の価値最大化活動における、リアルワールドデータ等各種データの利活用可能性について議論していく場として今回のシンポジウムを開催することといたしました。皆様と共にこれまで以上にエビデンスを重視した医薬品価値最大化にむけた活動の在り方について考えていきたいと思います。
Medical data science day / Day1 のキーワード
- データベース研究
- メディカルアフェアーズ
- マーケティング
- マーケットアクセス
- HEOR(Health Economics and Outcomes Research)、HTA(Health Technology Assessment)
- RWD(Real world data) / RWE(Real world evidence)
- PRO(Patient Reported Outcomes)
- エビデンス構築
スケジュール
時間 | プログラム |
14:00 〜 14:45 | 受付 |
14:45 〜 14:55 | 挨拶:株式会社医療情報総合研究所 代表取締役社長 大橋青史 |
14:55 〜 15:35 | 講演:『昨今の製薬会社メディカルアフェアーズ部門を取り巻く環境とこれからの役割について』 シミックアッシュフィールド株式会社 メディカルアフェアーズ事業部門 部門長 薬学博士 田中 弘之 氏 |
15:35 〜 16:10 | 講演:『RWDとPROを活用した育薬フェーズのエビデンス構築』 株式会社医療情報総合研究所 営業統括部 サービス企画グループリーダー 林 裕之 |
16:10 〜 16:30 | 休憩:コーヒーブレイク |
16:30 〜 17:30 | 講演:『悪性腫瘍に対する医療技術の費用対効果評価の手法と課題』 神戸薬科大学 医療統計学研究室 講師 博士(保健学) 森脇 健介 氏 |
17:30 〜 19:00 | 懇親会 |
講演内容
『悪性腫瘍に対する医療技術の費用対効果評価の手法と課題』
講師 | 神戸薬科大学 医療統計学研究室 講師 博士(保健学) 森脇 健介 氏 |
略歴 | <専門分野> 医療技術評価、医療統計学、医薬経済学 <研究内容> 医療技術の費用対効果・社会経済的影響の評価に関する研究 臨床上・医療政策上の意思決定に資するべく、様々な疾病に対する予防・診断・治療法の費用対効果について、臨床・疫学研究のデータをもとに、統計解析手法や数理モデルによるシミュレーションを援用することにより分析を行っている。 <学歴> 平成 17 年 広島大学 総合科学部 卒業、平成 19 年 神戸大学大学院 医学研究科 修士課程修了、平成 25 年 新潟医療福祉大学大学院 博士課程 修了[博士(保健学)] <職歴> 慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 医薬経済学教育研究プログラム 臨時職員、神戸大学大学院 医学研究科 医療統計学研究室 特命助教、新潟医療福祉大学 医療経営管理学部 助教、講師を経て、平成 26 年 4 月より 神戸薬科大学 医療統計学研究室 講師 (現在に至る) |
講演の概要 | 費用対効果評価とは、医療技術によって得られる効果を発生した費用とともに考慮した上で、その費用対効果や財政的影響を科学的に評価する方法である。 医療費膨張の問題に直面した近年、医療技術の有効性、安全性に加えて、費用対効果の視点が非常に重要となっており、欧米諸国では多様な医療技術の費用対効果評価が実施され、診療上あるいは医療政策上の意思決定に活用されている。 近年、高額な医療技術の登場で議論となっている悪性腫瘍の領域では、数理モデルを援用した費用効果分析が主流である。 これは、悪性腫瘍の病勢進行や有害事象の発生を含めた患者の予後を状態遷移モデルとして構造化し、臨床試験やデータベース研究などの情報源からモデルのパラメータ推定値を得て、シミュレーションを行うものである。これにより、評価対象となる治療群と比較対照となる治療群の長期的な費用と効果を推計し、対照治療と比較した評価対象治療の費用対効果を評価することが可能である。 我が国における分析事例はこれまでのところ限定的であるが、近年の中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の制度導入の議論では、費用対効果のエビデンスの重要性が認識され、我が国の保険医療の立場で実施した費用対効果評価が必要となっている。 本演題では、悪性腫瘍に対する薬物治療の費用対効果評価の事例を用いて、その分析手法を概説し、我が国における課題を整理することを通して、今後の我が国における医療技術の保険償還や価格算定のあり方を医療経済の視点から考える上での材料を提供したい。 |
『昨今の製薬会社メディカルアフェアーズ部門を取り巻く環境とこれからの役割について』
講師 | シミックアッシュフィールド株式会社 メディカルアフェアーズ事業部門 部門長 薬学博士 田中 弘之 氏 |
略歴 | 外資系製薬会社において、マーケティング本部及びメディカルアフェアーズ本部に所属し、シニアグループマネージャー等を経験。 メディカルアフェアーズ部の実質的な立ち上げにも貢献してきた経験を持つ。これらの経験を生かし、現在、製薬会社におけるメディカルアフェアーズ部門立ち上げのサポートやMSLトレーニングをはじめ、自社MSLの育成及び派遣事業も手掛けている。 |
講演の概要 | これまで主に欧米で展開されきたメディカルアフェアーズ(MA)の活動が日本に本格的に導入され始めてすでに数年が経過した。メディカル戦略やそれに基づくメディカルサイエンスリエゾン(MSL)のKOLに対する活動は、欧米の方法論をそのまま日本に導入するには様々な課題があるようである。それには、日本における製薬会社MA部門を取り巻く環境が複雑で、会社組織や人材面での変革が必要になることが理由の一つとして挙げられるだろう。 本講演では、こうしたMA部門立ち上げ時に起きている様々な問題や、今後MA部門がこのような環境下で社内外から期待される活動は何かに注目して話題を提供する。 |
『RWD とPRO を活用した育薬フェーズのエビデンス構築』
講師 | 株式会社医療情報総合研究所 営業統括部 サービス企画グループリーダー 林 裕之 |
講演の概要 | 近年、臨床試験から創出されるエビデンスに加え、リアルワールドデータ(RWD)を活用したエビデンス創出に注目が集まっている。 また、「患者中心の医療」をこれまで以上に重視する流れから、患者の主観報告評価であるPRO(Patient Reported Outcomes)を用いた臨床評価の活用が、新薬開発の場面を中心に増加しつつある。 これら2 つのエビデンス創出手法を用いた育薬フェーズのエビデンス創出の実現・活用可能性について、JMIRI が創出支援を行った実例、メディカルとコマーシャルの視点などを踏まえながらご紹介したい。 |